徒然日記

好きなことを好きなように語ります

誰か Somebody(杉村三郎)の感想

発行社:株式会社文藝春秋
作品名:誰か Somebody
著者名:宮部みゆき
発行年:2007年12月10日

美文の嵐だった。
風景描写から始まるのだが、冒頭から分かりやすく情緒のある表現が怒涛のように飛び込んできた。
中高生のとき、宮部さんの著作をたくさん読んでいたときは何も感じなかったのだけど…年をとったせいか、文章をより多く書くようになったせいかはわからなかった。
文章のテンポの良さにのせられて、噛み締めるよりも早く読み終えてしまったが、新たな発見があってとても良かった。杉村三郎シリーズはまだまだ続くようなので、宮部さんの著作に触れる機会がたくさんあるのはいいことだ。
解説の「素描の名手」という表現にも膝を打つ思いである。

内容について述べるなら、300ページを超えたのに話が進まないなと感じてしまった。これは展開の早い横溝作品に読み耽っていたからか、クリスティー作品含めたミステリーを続けて読んでいたせいかもしれないのだが、梶田の死亡事件に気を取られて、いつどんでん返しがあるのかとそわそわしていた。
このストーリーの中心はそこではなく、娘の聡美や梨子、亡くなった梶田がどのような人生を歩み、周囲にどのような影響を与えていくか、だった。梶田に自転車をぶつけてしまった中学生の心境変化や梨子による不倫(内心姉の聡美を見下していたのだろう)も、その影響のひとつだろう。生々しい人間関係を見せられているようで、他の宮部作品にはない魅力が詰まっていた。

恒例になりつつある自分用の登場人物のメモも、一応残しておく。途中までしかない(聡美の婚約相手もいない)ので、参考にならないかもしれないが…。

杉村三郎:私。主人公。梶田の葬式に代表代理として出席
桃子:三郎の娘。4歳。
杉村菜穂子:29歳。美人。
梶田信夫:自転車にはねられて、転倒し頭部を打って死亡。脳挫傷。
氷の女王:義父の第一秘書
今多嘉親:義父
長兄:主人公の二十歳年長。今多コンツェルン社長
次兄:主人公の十八歳年長。専務取締役
菜穂子の母親:絵描き。親から受け継いだ小さなギャラリー持ち

水星の魔女 青春フロンティア 第7-1話 感想

https://comic-walker.com/detail/KC_006679_S/episodes/KC_0066790001000011_E

【第7-1話】機動戦士ガンダム 水星の魔女 青春フロンティア

 

みなさん読みましたか〜〜〜〜〜!????

公開日は明日8月28日(金)11:29までなのですが、まだの方は是非是非読んでくださいね!

追記)作画担当の方が体調不良で休載、次回は9月25日とのことです。インフルエンザも流行ってますからね…お大事になさってください。

そして、7-1話があと一ヶ月楽しめるということで堪能したいと思います。やった〜〜!

 

ちなみに、Xにリンクを貼るとサムネが4号とスレッタになるのです。他の方が言ってくださるまで気づかなかった…可愛すぎませんか〜〜!???

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いよいよついに!!エランたちの登場です!!!

かく言う私もあまりちゃんと読んでいなかったのですが、前回の、エラン編のプロローグにあたる回から読み始めました。とはいえ、エラン編と言われるほどのものなんだろうか…なんだかんだそんなに出番ないんだろうな…と蓋を開けてみたらまさかの!!

 

エラン三人(本作だと三つ子扱い。居酒屋ぷろすぺらと同じですね)登場!!

ケレス家の掘り下げ!!(本編には存在しなかった家が出てきた!?)

ペイル社の立ち位置判明!!

4号とスレッタの出会い!!

まさかのデート!??(本人たちにその気は無い)(だがそこがいい)

二人の間で深まる仲!!!

待て待て待て待て待て待て一話でやっていい内容ではない。あまりにも爆速特急すぎる。とんとん拍子に話が進んでいくから目が飛び出ました。青春フロンティアって、こんなスピードで展開する話だったっけ…??

びっくりしすぎて何回も読み返しました。これが一ヶ月しか読めないなんて…噛み締めるしか無い……

 

備忘録も兼ねて、細かい感想を綴ります。

当然のことながらネタバレ満載です。未読の方はご注意ください。

いやほんと……どないなっとんねん〜〜!??

 

まず、ケレス家の両親の経営していた工場が買収されたところから始まります。

職人がいた工場のようです。建屋が複数見えますが…どんな工場だったんだろう。旧社名もいつかわかると妄想が捗りますね〜〜!!

そしてエラン三つ子の幼少期が登場しました。静かに睨みつけるオリジナル、悲しみにくれる4号、怒りを露わにする5号と表情が全く違います。表情の作画に気合が入っていてとても素敵です。

ここに限らず、全体に渡って気合いを感じました。エランの造形は結構難しいと思うのですが、どのコマもとても美しかったです!!

 

扉絵の水族館のクラゲを見つめる三つ子も素敵です。クラゲに最も興味のある4号だけ真正面、他の二人は斜めに見ているんですよね。立ち姿にそれぞれ個性を感じて好きです!!

 

ページを開けたら!!まさかの!!4号の一人暮らしががががが

家の中じゃスリッパを履くタイプなんですね〜〜!!室内は殆ど映っていませんが、家具は最低限な気がします。そこは本編と同じなんでしょうか…枕はフリルがついてたらニコニコする(あれなんでついてたんでしょう?)

前回買ってた食材は自炊するからだったのか… ネギを切って味噌汁に追加するのね…

手を合わせていただきますするタイプなのね!!!まだ数ページしか立ってないのに4号についていろんなことがわかる……

LI○E?みたいなSNSで三つ子とやりとりするの可愛い。5号のアイコン笑いました、高校生活楽しんでるなw

4号は初期設定なの…とてもかわいいですね…返信も二文字だけという最低限…とてもかわいい……

 

場面は変わって江ノ島駅前。ミオリネの汚部屋はアニメ通りでしたwギク、ギクッとなるスレッタの表情かわいいです。

ここで4号とスレッタが出会うんですよ!!!早すぎでは〜〜〜〜!???あまりの爆速に、初読時は息が止まりました。まぁアニメもそんなに段階踏んで無かったですね…アニメ通りの爆速さとは、さすがやで。

スレッタと出会ったときの4号が、キラキラしてるんですよね…チケット拾っただけなのに王子かな?初めての出会いは前回ぶつかった時になります。どっちも少女漫画っぽさがある…(噛み締め)

ここで、スレッタの手にあるやりたいことリストのメモに目を止めます。アニメの3話を思い出しますね〜〜!!

そんなこんなで、余ってしまった水族館のチケットをスレッタはエランに渡します。

チケットを少し口を開けでびっくりしたように見つめる4号の可愛さよ…そしてスレッタと一緒に行かないかと誘います。

チケットをくれた人と一緒に行くんですか!??その女の子、今しがた自分の名前を教えたばかりのほぼ初対面なんですけど!??二人で!?水族館!??混乱するスレッタをよそに、当然のように水族館に向かう4号という違いに笑うしかない。

 

ここの水族館内部の作画がとても綺麗なんですよ〜〜〜!!!はしゃぐ二人の気持ちがとてもよくわかります。実際に行ってみたくなるほどです。

クラゲに魅入るエランとスレッタが、綺麗だという感想を分かち合うところがとても綺麗で…君たちが最も綺麗だよ…輝いてるよ…

 

ここで回想が入ります。

工場の職人たちと沼津の水族館に行っていたようなので、ケレス家の工場があったのは沼津周辺でしょうか。職人たちと社長の息子たちの仲の良さから、両親たちが職人からいかに慕われていたかが分かりますね。ここのエピソードがもっと読みたいのですが、来るかどうか…。

ペイル社による特別推薦制度がペイル・グレードだそうです。ちょっと笑った。グレードは階級だからむしろこっちの方が意味合いが近いんだよな…

4号は神奈川アスティカシア、オリジナルはイギリスの分校、5号は推薦落ちのため地元(沼津?)の高校。

5号の一人称はアニメだと「僕」でしたが、こちらだと「俺」になっています。間違えたのかあえてなのか、はてさて…。

ここの三つ子の作画も、各々個性が溢れていてとても良かったです〜〜!!!スマホじゃなくてiPadで読むべきだったか…

 

三つ子の目的は両親の会社をペイル社から取り戻すことですが、4号は乗り気では無い様子。冒頭の悲しみ?寂しさ?にくれる顔がヒントになるのでしょうか。

 

江ノ島にある水族館なら、ここのモデルは新江ノ島水族館なのでしょうか。クラゲを70年以上飼育しているそうで、歴史を感じます。クラゲファンタジーホールは写真だけでもとても美しい…!いつか行ってみたいです。

沼津にある水族館でクラゲが有名なのは、伊豆・三津シーパラダイスなのでしょうか…?クラゲ展示ゾーンの「ふわルーム」はなかなか可愛いのですが、作中と違う気がする…!もう一つの沼津港深海水族館も気になりますね。

 

明日はいよいよ更新ですね…どうなるんだろう…

あまり期待しないで待ちます。

獄門島(金田一耕助)の感想

作品名:横溝正史自選集2 獄門島
著者名:横溝正史
平成19年2月20日発行。

 

田舎の孤島で起きる連続殺人事件。

厳密に言えば個々の殺人事件が連続して起きたものだが…首謀者は同じなのだし、広義的に連続殺人事件でいいと思う。多分。

おどろおどろしい描写は、雨の描写も相待ってさすが。畳み掛けるような展開が続き、最後の種明かしに繋がるのはとても惹きつけられた。

犬神家の一族の印象が強く、一(ひとし)は絶対に出てくると思い込んでいたため、とても驚かされた。三姉妹も亡くなってしまうし、千万太も浮かばれないし、お爺さんの妄執が誰も救われない悲劇を生んでしまった。

早苗もお兄さん亡くなってしまうし…幸せになってほしい…

あと鵜飼章三も…本家を乗っ取るための道具に過ぎなかったんだなと…まぁもともと自分の意思がない傀儡のようだったし、仕方ないのかな。

本陣殺人事件解決後、WW2を挟んだのもあって磯川警部との再会シーンはとても良かった。

 

前回に引き続き、今回もそこまでメモしていないが念のため残しておく。

金田一耕助
千光寺の了然和尚
竹蔵
一(ひとし):分家。千万太の従兄弟。両親は早々に亡くなったので本家に引き取られる。
早苗:分家。ひとしの妹
鬼頭千万(ちま)太:本家
荒木真喜平:村長。
村瀬幸庵:医者。漢方医
月代、雪枝、花子:三姉妹
嘉右衛門:鬼頭の隠居だったが、昨年亡くなる。78歳。
与三松:来たぜ十八番の気狂い。千万太の父親。
お勝:嘉右衛門の妾。

儀兵衛:分家の旦那。60代。
志保:儀兵衛の妻。巴屋の娘。27、28。お主婦さんの甥を養子にしていたが、子供が産まれると追い出した。
鵜飼章三:イケメンだがなんだかとっても怪しい
了沢:典座

 

蝶々殺人事件(由利麟太郎)の感想

作品名:横溝正史自選集1 本陣殺人事件 蝶々殺人事件
著者名:横溝正史
平成18年12月10日発行。

浅薄なもので、横溝作品の探偵は金田一耕助しかいないと思っていた。今作も最後の最後まで、いつ金田一耕助が出てくるのだろうと首を傾げていた。
でも、これはこれで面白かった!ホームズ役の由利麟太郎、ワトソン役の三津木俊助のコンビがいいね。事件に巻き込まれた千恵子が、まさか由利の奥さんになるとは思っていなかった。
原さくらの動機に驚かされたけど、最初に出てきた土屋恭三もまさかまさかだったな〜!察しのいい人は途中で気が付くのだろう(作中にもそういうヒントあったし)けど、私は何もわからないタイプなので何も考えずに楽しんでた。雨宮や原聡一郎との関係性にも唸らされた。
由利麟太郎シリーズも面白いな…かなりの作品数があるみたいなので、読みたい本が一気に増えて嬉しい限り。

今回は楽団という一つのまとまりで、人間関係が覚えやすかったのでそんなにメモしてないけど、一応載せておく。

由利先生:麹町に住んでいたが、空襲を案じて国立へ引っ越した。
三津木俊助:新聞社勤務。蝶々殺人事件を、土屋恭三の日記をもとに小説化する。
土屋恭三:女流声楽家 原さくら女史のマネジャー。数章の語り手。
相良千恵子:若くて美しいアルトの持ち主。さくらの弟子。
小野龍彦:ピンカートン役。天下一の美男。
ヤマドリ侯爵:志賀笛人。
原聡一郎:原さくらの旦那。

個人的なメモ。
横溝氏の読みたい本は、クロフツとディクソン・カー(あるいはカーター・ディクソン)。続いて、エラリー・クイーンとアガサ・クリスティー、さらにもう少し贅沢を許されるなら白魔の作者スカーレット。

本陣殺人事件(金田一耕助)の感想

※ネタバレあり

 

作品名:横溝正史自選集1  本陣殺人事件 蝶々殺人事件

著者名:横溝正史

平成18年12月10日発行。

 

金田一耕助が初登場する作品。

密室殺人事件がテーマだったが、奇をてらうような展開はなかった。要は自殺だったのは意外だったが…。

あと、私が遡って読んでいるからだろうが、犬神家や八つ墓村などを考えると、極端に気性の激しい人間が事件に関わっていることが多い気がする。

祖父がそういう気性だったようだが、昔はありふれたタイプだったかもしれない。

 

例によって人物メモを残しておく。

 

一柳賢蔵:一柳家の当主。克子と婚約。長男。
糸子刀自:先代当主の未亡人。いとことじ。子供は五人、同居してるのは三人。
妙子:賢蔵の妹。会社員に嫁いで現在上海。
隆二:大阪勤務の医者。変事のあった直後に帰省。35歳。
三郎:三男。25歳。中学校を中途で放校、私立専門学校を中途で退学。
鈴子:次女。17歳。虚弱で腺病質。琴をひくことに関しては天才的。
良介:賢蔵の従兄弟。分家。38歳。
秋子:良介の妻。子供は三人。
久保克子:女学校の先生。
お直:変なことから紙片を受け取る。
伊兵衛:大叔父。70代。
久保銀造:克子の叔父。

 

 

三幕の殺人(名探偵ポワロ)の感想

作品名:三幕の殺人

著者名:アガサ・クリスティー 長野きよみ訳

2003年10月15日発行

 

名探偵ポワロシリーズ9作目。

今回の作品にはヘイスティングスが出ないどころか、主役となる探偵の座をチャールズ、サタースウェイト、エッグが担当し、当のポワロはアドバイス等の後方支援にあたるという、珍しい立ち位置だった。

彼にしてみれば引退しているというのが大きいらしいが、まだ引退にあたる作品はまだ読めていない…いつか読まねば。

タイトルの三幕といえば三幕構成を彷彿とさせるので、設定、対立、解決の流れかと思いきや、設定にあたる通し稽古、解決にあたる犯人解明はともかく、対立にあたる要素は見受けられなかった。どちらかというと二幕で殺したバーソロミューが本命で、バビントン、ラッシュブリッシャーは練習、おまけ的な扱いだった。

クリスティー作品の殺人の動機は、おおむね金銭や面子に関わるものという印象があるので、バビントン牧師が死んだ際の利権について考えていたが、あまり関係ないとは思わなかった。バーソロミュー自体も口封じの意味合いが強く、話の中心となっていたエッグとの恋愛模様に利権があったとは気づかずびっくりした。

最後まで犯人が分からなかった(ポワロも推理に没頭していた)ので、終盤まで惹きつけられる作品だった。

 

それはそれとして、サタースウェイトの自己陶酔っぷりは…その…うん。自画自賛したり、心の中で自分に喝采を贈ったり。実際に能力はあるのだろうが、ポワロ以上の曲者なのではないかと感じた。

クロニクル千古の闇1の感想

作品名:クロニクル千古の闇1 オオカミ族の少年

著者名:ミシェル・ペイヴァー さくまゆみこ訳

画家:酒井駒子

2005年6月20日発行。

 

Xのおすすめで流れてきたのがきっかけで手に取った作品。レッドデータガールの酒井駒子さんのイラストが好きだったし、リンの谷のローワンシリーズでさくまゆみこさんの訳に親しんでいたので、手に取りやすかった。…ローワンシリーズの続きはもう出ないのかな…。

 

舞台は紀元前4000年。悪霊に取り憑かれたクマに父親を殺された少年・トラクは、死に際の父親の導きのもと、半ば強制的にクマを殺すため精霊の山へ向かうことを誓う。

うまく言えないのだが、ファンタジー感の薄い作品だった。狩猟生活の細やかな描写、土着信仰などが弥生時代といった古代文明にありそう(日本は農耕民族なので厳密に言えば異なるが)だなと感じていたので、後書きに紀元前4000年前とあり、驚くと同時に納得した。

超常現象が多くないところもファンタジー感が薄く感じた。でも括りとしては、ファンタジーのかもしれない…。

 

ストーリーの所感としては、集団生活したことがなく山での生活に特化してる&父親の指示がふわふわにも関わらず、トラクはとても頑張ってるのに報われないな…と感じた。

ワタリガラス族たちからの扱いが最後以外良くなかったのも、あまりいい印象は持たなかった。レンは頑張っていたけど…二人と一匹で旅立ってしばらく経つまで、いい印象はなかったしな…

最後の描写を読むに、トラクはワタリガラス族のところで暮らすようになるのだろうか。最後までつっかかっていたボードはクマとともに亡くなったし…穏やかに暮らしていけるといいのだが。

一番可愛かったのは、オオカミのウルフだった!!きゃんきゃんトラクに戯れるところも、成長して雄々しくなって頼れる存在になるところも、全部良かった。最後いなくなってしまって悲しいんだが…私にとって癒しの存在だったので、次巻で戻ってきてくれたら嬉しい。

 

ずいぶん昔の作品だと思っていたが、最近続編が出て去年完結したらしい。図書館の児童エリアは土日にしか行けないので、のんびり続きを読もうかな…