作品:八つ墓村
著者:横溝正史
1996年発行。
※ネタバレあり
2019年に、犬神家の一族がNHKでドラマ化された。脚本を小林靖子さんが担当していたので、うきうきと録画したのだが、見る前に家族に録画データを消されてしまった。
落ち込みはしたものの、まず原作から触れてみようと思い直した。図書館のカードを何年振りに更新して、いざ手にとった「金田一耕助ファイル 1」が一作目じゃなかったことはびっくりした。罠だった…
感想に入る。とても面白かった。
前振りとしてひどく陰惨な事件がテンポ良く語られ、その呪いの一切を背負ったといってもいい辰弥が今作の主人公とわかった時はめちゃくちゃテンションが上がった。
辺鄙な村ならではたくさんの登場人物がひしめき合っていて、人間関係も複雑で読み応えがあった。
辰弥の語り口というのも良かった。彼が死なずに生き残ることが確定したので。しかし春代が亡くなったのは残念だったし、典子と大団円を迎えたのは意外だった。
一つ肩透かしだったのは、てっきり要蔵が生きていて暴れ回るものと思い込んでいたから、屍蝋になっていて娘を驚かす以外なくて残念だった。
今度新しい映画を公開するらしいが、だいぶ内容が変わっていて不安。昔の映画を探して見ようかな…。
複雑で、ページをめくるたびに進展していく人間関係は本当に読み応えがあったのだけど、最初はなかなか名前が覚えられなくて…。
メモりながら読んだのが幸いして、後半からはメモを取らなくても分かるようになりのめり込むように読み進めた。
もしかしたら誰かの役に立つかもしれないので、ここに残しておく。
八つ墓村メモ
落武者八人:尼子義久の家臣。毛利元就への降伏を受け入れることができず落ち延びる。
多治見庄左衛門:落武者八人襲撃の首謀者。三千両欲しさに殺す。のちに狂い、七人殺し、自ら首を刎ねる。そのことがきっかけで村人は落武者八人をきちんと弔うようになる
多治見要蔵:非常に粗暴な性格。鶴子が戻らない激情のまま妻や村人32人殺して逃亡。
二人の伯母:双生児。要蔵の伯母。名前は小梅、小竹。
おきさ:要蔵の妻。狂った要蔵に殺された。
久弥:要蔵の息子。肺壊疽にかかる。激しく咳き込み、久野の薬を飲んだ直後に死亡。
春代:要蔵の娘。30代で体が弱い。
鶴子:19歳で郵便局事務員。要蔵に拉致された犯され、要蔵に怯える周囲の人間に宥められて要蔵の妾となる。孕んだ息子の父親は要蔵なのか、亀井陽一なのか不明。村人は亀井陽一の息子だと噂した。要蔵のもとを逃げ出し、狂乱ののちに村に戻るが、村人たちからの恨みに耐えかねて再び村を出る。辰弥が七つの時に死亡。
辰弥:鶴子の息子。母や義父の死亡、そして徴兵を通してほぼ天涯孤独だったが、小梅と小竹による捜索により人生が変わり始める。
亀井陽一:鶴子の恋人
寺田虎造:辰弥の母、鶴子の夫。辰弥の養父。造船所が爆撃された時、爆弾の破片に当たって死亡
諏訪弁護士:丑松に依頼されて、辰弥を探すためラジオで呼びかけた。八つ墓村のもう一つの分限者である野村家の縁者。
井川丑松:鶴子の父親、辰弥の祖父。博労。辰弥の目の前で突然死。
里村(多治見)修二:要蔵の弟。母の実家を継ぐために里村姓を名乗る。
森美也子:大柄の美人。辰弥、どきどきしてしまう。野村家の当主荘吉の義妹。荘吉の弟の達雄(故人)の妻だった。
里村慎太郎:元少佐。小梅と小竹に嫌われている。
里村典子:慎太郎の妹。
吉蔵:博労。
新居:医師。疎開してきたとき、一番目の患者は丑松で、村中に宣伝して歩き回ったことを久野は恨んでいるby吉蔵
久野:医師
濃茶の尼:異様な風体をした人物。なんか叫んでる。妙蓮。旦那と子供は要蔵に殺された。
お島:多治見家の女中
野村荘吉:50前後、おっとりした態度で鷹揚な口の利き方。
金田一耕助:探偵。荘吉の古い友人。小柄でもじゃもじゃ頭。
磯川警部:N町からやってきた。